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2012年10月15日 - 書評のコーナー その6

題名からは、何やら宗教絡みのミステリー小説かと思っていましたが、何のことはない、主役は学校の先生でした。しかも、「経典」ではなく「教典」。

舞台は主に学校で、何事にも完璧主義者(詳しくは作品を)の教師が行った些細な殺人事件が、わらしべ長者的に大きな事件になって行き、完全犯罪にするために渋々大量殺人を行う羽目になるストーリーです。これだけ見ると「大量殺人をおこなう羽目になる?」なのですが、主人公的には明らかに渋々の感情です。

全く謎解きの要素はありません。何しろ犯人目線で綴られていますから。何か漫画の原作を読んでいるような感じでした。少年ジャンプに掲載されていた「Death Note」に近しい感じを覚えます。

同じ時間軸で複数の事件が進行していたり、特定のキーワードを巡って読者をミスリードさせてどんでん返しを狙ったりなどの細工は全くありません。ああ、映画にし易そうだなあ。登場人物が矢鱈多いからキャスティングが難しそうだなあ。でも学校借りて撮影するだけだから製作費は安く済みそうだなあ。などとお気楽に読めます。

作品中の世界観を愉しんだり、薀蓄に痺れるような本ではないので、再度読み返すような類の本ではないでしょう。図書館あるいは文庫本で十分です。

但し、ブックカバー着用をお勧めします。吊革に掴まって通勤の電車内で読んでいたら、座席の人が明らかに怪訝そうな顔で私をチラ見して来ます。

何故なら、本の題名が「悪の教典」ですから。