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2017年6月7日 - 塩と血圧

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血圧の高い人は、「減塩しましょう」と言われます。

何故でしょう。しょっぱいものを摂りすぎると翌日顔や指がむくみます。塩が水分を溜め込んでしまうのです。これと同じことが血管の中でも起きているのです。これを「循環血液量の増大」といいます。人間の血管の太さや長さは基本的に一定です。そこに通常以上の血液を詰め込むと、内圧が高くなります。これだけでも血圧は上がりそうなものなのですが、それに加えて、余分な塩分(ナトリウム)を尿中に排泄するために血圧を上げるという生理的反応が起きるのです。さらに塩分摂取が多くなると、昼間の尿排泄だけでは追いつかなくなり夜間も血圧を上げて塩分の排泄に勤しみます。すると、翌日は朝から高血圧で一日がスタートします。

この段階までであれば、可逆的な高血圧症状であり、減塩で改善する見込みがあります。内服するとしても、尿中への塩分排泄を促す利尿剤の仲間で済みます。

しかしながら、減塩の機会を逸して一日中の高血圧が持続してさらに糖尿病等々の生活習慣病が重なると血管の壁が傷んできます。傷んだ血管は修復されるのですが、その際血管の壁が厚くなったり硬くなったりで血管の直径が細くなってきます。すると、今度は不可逆的な本格的な高血圧に仕上がってしまうのです。もうこうなると、血管を広げる様な本格的な薬の出番になってきます。

現在、厚生労働省の塩分の推奨摂取量は1日8g未満です。高血圧と診断された人は6gと厳しくなります。天丼の塩分は3g、そしてざるそばはつゆを飲まなくても2gです。よほど気を付けないとあっという間に8gを超えてしまいます。

私は食品のパッケージ見ながら注意しているから大丈夫というあなた。騙されてはいませんか?最近は、塩分表示すると避けられるので、ナトリウム量表示で誤魔化している食品が多数あります。ナトリウム量=塩分量ではありません。ナトリウム量を2.54倍した量が塩分量です。塩(Nacl)に含まれるNa量を示しているだけなので、見た目少なめに表示されるのです。

例えば2.5gのナトリウムの含まれるカップ麺は、6.35gの塩が入っていますよ。皆さん騙されないようにしてください。