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2022年1月21日 - 書評のコーナー ~その76~

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屍人荘の殺人

 

鮎川哲也賞受賞、「このミステリーがすごい」第1位、週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、本格ミステリ大賞受賞第1位。帯にこれだけ書かれていれば十分です。密室ものはあまり好きではないのですが読んでみることにしました。映画化や漫画化もされている様です。

普通の密室ものかと思っていたのですが、読み始めてみると「何じゃこりゃ。何でもありか!」と少々不機嫌になりました。これは読んでからのお楽しみです。しかしこの何でもありの仕掛けにより密室ものが2重の密室になります。よく考えたものです。

神紅大学ミステリ愛好会の二人が映画研究会の夏合宿に強引に参加して紫湛荘なる湖畔の宿に投宿します。この宿で、帯にも書かれているように想像だにしなかった事態に巻き込まれて一同が宿への籠城を余儀なくされます。まさに籠城です。戦国武将でもこんな負け確定の籠城はしません。ミステリですから籠城だけでは終わりません。次々と謎の死がメンバーに襲い掛かります。トリック的にはこれを見破れる人は著者を除けば皆無だと思います。謎解きは諦めてください。リーダビリティは高いので、波に乗って読み進めてください。良い気分で読破できます。

これがデビュー作とは恐ろしい。次作へのハードルを自分で上げてどうするんだと他人事ながら心配してしまうほどです。どんでん返しで「クソッ」と思う結末ではありません。本格ミステリではありますが、設定の妙を駆使した新・本格ミステリと言えます。360ページ、半日あれば読破できます。休日を前に何か読みたいのだけれども、本屋でビビッとくるものがなかった時。これは合格ラインです。