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新着情報一覧

2019年2月12日 - 書評のコーナー ~その54~

ハゲタカ いわゆる経済小説のカテゴリーです。舞台は2001年の日本。米国ファンドであるホライゾン・キャピタル日本法人会長の鷲津が、不良債権や借入金で傾いた日本企業を買い取って再生させてゆく物語です。それほど興味はなかったのですが、続編の「ハゲタカII」には、ペンタゴン経営のためにすっかり傾いてしまった「鈴紡」という会社が出てくるので、まずは「ハゲタカ」から読みだしました。背表紙には、 ...続きを読む

2019年1月7日 - 書評のコーナー ~その53~

新世界より 悪の教典でおなじみの貴志祐介の作品です。かなり手練れのホラー作家です。今回の本は、単行本で上中下巻の三冊と、割とボリュームがあります。小説は、主人公の渡辺早季の述懐から始まります。一人称視点からの小説で、これは書くのに技術がいります。感情移入はしやすいものの、他の登場人物の感情の描写が甘くなります。しかし、主人公視点でなければ、この小説はできなかったと思います。 舞 ...続きを読む

2018年12月12日 - 書評のコーナー ~その52~

教団X。謎めいたタイトルと20mmを超える600ページもの厚さ。作家は芥川賞作家でとくれば買わない理由はない。早速読み始める。松尾という老人の主催する宗教団体と、沢渡率いる性の解放を謳う宗教団体が出てくる。間にはそれぞれの団体を行き来してスパイのような動きをしている男女が居て。 いつになったらそれら宗教団体間の抗争や洗脳合戦が始まるのやらとページを捲っていたものの、一向にその気配はな ...続きを読む

2018年11月20日 - 書評のコーナー ~その51~

感染領域 2018年このミステリーがすごい大賞受賞作です。最近のこの賞の受賞作の傾向としては、緻密なプロットや主人公のキャラなどよりも、多少ぶっ飛んだ設定に対しての正確な状況描写やリアリティーが求められているのかなと思われます。そのためか、医療物やサイエンス物が多く受賞している印象があります。 本作は明らかにサイエンスミステリー仕立てです。ざっくりいうと、巨悪(外国企業)が企て ...続きを読む

2018年10月12日 - 書評のコーナー ~その50~

京都ぎらい 市井には「京都を歩く」「まだ発見されていない京」など、京都を礼賛する書籍は数多ありますが、「京都ぎらい」と皆の憧れの京都をディスる書籍はついぞ見たことがなかったので中身も見ずに購入してみました。 京都人の腹黒さ、京女のいけず、町屋の中のヒエラルヒー、向こう三軒両隣の厭らしさ、などが歴史風俗など社会学的見地から理論立てて書かれているのかと思っていたら、これがまた近年稀にみるぐ ...続きを読む

2018年9月20日 - 書評のコーナー ~その49~

蜂蜜と遠雷 直木賞と本屋大賞受賞しております。表紙も草原を描いたような図柄でタイトルが蜂蜜と遠雷。ファンタジー的な第一印象でした。しかし気になったのは幻冬舎。この出版社、凡庸な本はあまり出版しません。ひっくり返して裏表紙を見てみると、どうやらピアノコンクールの話。ピアノには興味はなく音楽にもさほど興味もありませんでしたが、幻冬舎・上下二段組の500ページに何やら名作の匂いがしたので読んでみま ...続きを読む

2018年8月15日 - 書評のコーナー ~その48~

傑作である。 浦沢直樹といえば、「YAWARA!」、「MASTERキートン」、「パイナップルARMY」などで有名な漫画家である。「MONSTER」で訳のわからない領域に行ってしまったと見限り、「21世紀少年」は未読であるが、伏線回収が杜撰で終わり方もバタバタしていたと、いろいろな漫画賞を獲った割には世間の評価は二分である。 個人的には、「MONTER」で説教臭い漫画には食傷気味であっ ...続きを読む

2018年5月12日 - 書評のコーナー ~その47~

がん消滅の罠  「このミステリーがすごい」大賞受賞作です。余命半年の宣告を受けたがん患者が、生前給付金を受け取ったのちに治癒してしまうという、殺人事件ならぬ活人事件がテーマです。医療本格ミステリーの傑作との触れ込みです。病巣が消えてしまうトリックは、この業界人から見ると、「まあ、ないことはないが。無理筋かな。よく考えてはいるけれども。」という印象でした。本格密室殺人事件のような、謎解きが ...続きを読む

2018年3月12日 - 書評のコーナー ~その46~

たまたま手元にあったので読み返してみましたが、やはり上手に書かれていました。流石、「このミステリーがすごい大賞」。舞台が病院という特殊な場所で、登場人物も色々な専門職でそれなりに肩書がついておりますが、事件の概要を冒頭に示して、登場人物を並べて事情聴取という形で各人物の病院での立ち位置や性格を説明してゆく。うまい構成です。名前の付け方も、ヒーロー役は桐生、泥臭い役回りは田口公平と覚えやすい ...続きを読む

2018年2月20日 - 書評のコーナー ~その45~

AX 題名自体には大した意味はありません。斧を英語で言うとAXというだけです。作中に蟷螂の斧というフレーズが度々出てくるので何か思い入れがあるのでしょうが、わざわざタイトルにするほどの意味もないと思います。気にしないで読み進めましょう。 5編の短編から構成されております。最初の3編は文芸誌に掲載されていたもので、最後の2編は書下ろしです。どういうわけか最初の3編に比べると後半の2編は、 ...続きを読む