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2015年10月20日 - 書評のコーナー ~その27~

鹿男あをによし

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前掲「鴨川ホルモー」の2作目です。ドラマ化されていた様ですが、全く知りませんでした。本の帯やら、煽りの文章には「1人の青年が日本を救う」的なことが書かれておりました。連綿と続く秘密結社の企みを、丁々発止の捕り物の末に阻止するという「ダ・ヴィンチ コード」的な内容かと思っておりましたが、矢張りくーだらない内容でありました。

物語は、本人の意に反して学校の先生を下命された主人公が、赴任先の女子高で生徒たちの陰湿ないじめにあう所から始まります。スーパーで下着を買ったら、翌日黒板に「パンツ3枚1000円」と書かれていたりします。ん?どこかで聞いたような話の流れ。赤いシャツこそ着てはいないものの、ダンディーで一癖ありそうな教頭も出現。山嵐や野だいここそ出てはいないものの、これは「坊ちゃん」のパクリ?と思っていたら、とうとう「~ぞなもし。」のセリフ。確信犯でした。逆に、早く気づけよと試されていたのか。この作者、時々読者の文学的素養を試すようなことをします。

さて、物語の方ですが。主人公が鹿に使役されて、「サンカク」なるものを調達するように命令を受けます。何故か、鹿の方が圧倒的に高圧的な態度です。そして、色々あって「サンカク」は学校対抗の剣道大会の優勝記念品になってしまいます。お決まりの様に、主人公の高校は弱小校。部員も揃わず困っている所にヒーロー出現。少年漫画かと思うほど勝ち進み、予定調和の展開。しかも最後にどんでん返しあり。そして最後の最後では、「美女と野獣」かと突っ込みたくなります。

前半1/3の世界観が理解できれば、後半はspeedyに読めます。しかし、2回目読むかと訊かれれば、多分読まないので、嵩張らない電子書籍で十分かな。