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2016年6月15日 - 書評のコーナー ~その31~

京極夏彦の新シリーズ、と云えば否が応にも期待は膨らみます。読者を煙に巻くような薀蓄がまた聴けるのか。スピンオフ作品もできてしまう破天荒な御曹司のようなキャラは出現するのだろうか。

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当たり外れの差が大きいこの作者、本の厚みは申し分なし。3㎝はあります。十分です。

期待と不安をないまぜにして、久々の京極作品の鑑賞です。

読み始めて程なく。

ん?何か違う。スピンオフ作品を含めた今までの文体と明らかに違う。

文章の間の取り方が違う。

ここぞという所での、言葉の洪水がない。文体が乾いている。パサパサして艶がない。

描写も上手で情景は見えるのだが、光がない。白黒っぽい。強いて言えば、なんか、埃っぽい。

主人公のキャラが立っていない。サブキャラも冴えがない。話の繰り返しが多い。

困った、面白くない。

素寒貧のおっちゃんが主人公で、サブキャラがバブル弾けの同級生とヤクザ崩れ。対抗軸に来るのが破壊坊主。

もしかして、「どすこい」以来の駄作?

「ルー・ガルー」と比肩するほどの期待外れ?

色んな「???」が並びながら読了。

有馬の太閤の湯で風呂上りに読んでいたのですが、すっかり頭も体も乾いてしまいました。

ただ、サブタイトルの「金剛界の章」が気になります。

通常、「金剛界曼荼羅」と「胎蔵界曼荼羅」をあわせて「両界曼荼羅」と云います。という事は、これは所謂上巻?

後半に期待。

こんなので終わるな。がんばれ京極夏彦。